人頭税（じんとうぜい）
日本でも、かつて琉球王政のもとで宮古・八重山地方で人頭税が１６３７年に
制度化し、課せられていました。
通常、税（年貢）は、生産量の単位である田畑の面積や、
物などにかかる応能負担を中心としていますが、この人頭税は、
１５歳から５０歳までの男女の区別なく村の上納高（布など）が頭割りで
定められました。
１６３９年には、人口の変動によらず、毎年の税額を一定にする、
定額人頭税となった。
一人あたりの負担は、男子は１石８升余、女子は布５反余です。
その他に、上木税としてナマコ、貝柱、しゆろ、ヒハツ（ピパーシ）など、
また月に２〜３度の労役などがありました。なを、この人頭税は、
１９０３年（明治３６年）新税法施行に伴って廃止しました。
宮古島には、今でも「人頭税身長石」（「賦計石」・・この石の高さ１４３ｃｍ。）
が立っており、この石の高さまで達した男女には、人頭税が課されたとのことです。
（今日この石柱には「人頭税」のほか多くの説があります。）
ヨーロッパでは、中世に人頭税制度がありました。
また、「鉄の女」と呼ばれたイギリスのサッチャー前首相が、１９９０年に、
１８歳以上の男女に一律税金をかける人頭税（コミュニティ・チャージ・・・
地域住民税と呼ばれる地方税）を、導入しました。しかしこの税は、
国民の反発をまねきました。
その後、メージャー首相になって、この税を廃止しました。
日本では、人頭税らしきものとして、地方税の均等割が少し似ている税です。
